本研究科准教授結城武延氏が経営史学会・出版文化社賞授賞を受賞しました!

2023年度経営史学会・出版文化社賞授賞論文

【本 賞】鈴木史馬・結城武延「関東大震災と株式市場 ー 日次・個別銘柄データによる分析」(『経営史学』第57 巻第2号、2022 年9 月)

結城准教授より受賞の喜びが届いています。受賞おめでとうございます!

伝統ある素晴らしい賞の受賞、身が引き締まる思いであると同時に大変光栄に思います。

学会創設時代から連綿と続く自由闊達に経営史研究をするという志を、研究や学会活動を通じて私も継承していきます。

論文の要約は下記の通りです。

本論文は、1923年9月に起きた関東大震災の発生時点における株式市場の動向に注目し、震災前後における価格形成を通じて、大震災という予想できない大災害が企業経営にどのような影響を与えたのか、それは株式市場において株価にどのように反映されていたのかを実証的に考察しました。本論文では当時の新聞に掲載された個別銘柄の日次株価のデータセットを構築して得られた62銘柄を対象として、構造変化検定により震災発生時点で被災状況や競争構造の変化を織り込んだ上で株価がどのように変化したのかを検証しました。同一産業で被災地域にあった2企業について、株価が下落した企業と上昇した企業という対照的な株価の動きを発見しました。この発見の含意は、競争的な市場環境においてライバル企業がより被害を受けて供給能力を減らした場合、それはもう一方の企業にとって利益を拡大する好機であり、こうした企業間競争の事後的な帰結を織り込んで当時の株式市場では価格形成なされていたことを明らかにしました。

経営史学会の紹介は次の通りです。

経営史学は、企業やその他さまざまな組織の歴史を、その過程に参画する諸主体に力点を置きながら研究する学問です。また同時に経済学、経営学、歴史学、経済史学などさまざまな隣接諸分野と協同する学問でもあります。経営史学会は1964年に設立された、この分野における最も歴史ある最大規模の学会です。同学会は欧州やアメリカ、アジア等の国際交流を重視しており、英語による国際セッションの一つである富士コンファレンスセッションは、1974年に初開催され、その後約50年にわたり継続開催されています。