本研究科博士研究員杉山佳子氏が日本経営倫理学会 第3回水谷雅一賞優秀賞を受賞しました!

2023.09.22

本研究科博士研究員杉山佳子氏が日本経営倫理学会 第3回水谷雅一賞優秀賞賞(論文・ジャーナル部門)を受賞しました!

日本経営倫理学会は、企業をはじめ様々な組織における経営倫理の重要性が高まる中、組織におけるマネジメントの実践に基づく経験や事例に基づく知見を基礎としながら、経営倫理に関する学術的な研究に貢献する会員を表彰するため、学会賞として水谷雅一賞を設けられています。

「水谷雅一賞」は同学会創設者で初代会長を務められた水谷雅一先生の名を冠した賞となっています。

第3回水谷雅一賞 審査講評

 第3回の本年度は、2022年度発行の学会誌(第31回)及び『サステナビリティ経営研究』掲載論文を対象に、<論文賞>として優秀賞1本、奨励賞3本を授与した。また、<書籍賞>については、残念ながら今年度は優秀賞、奨励賞共に「該当なし」となった。以下に受賞論文の著者及び論文名を記す。

********************************************************************************

<論文・ジャーナル部門>(所属・敬称略)

 優秀賞:杉山 佳子 「日本的経営と転職の2つの意義:経営層の女性のケースから」

 奨励賞:小室 達章・高浦 康有 「非営利組織における不正の探索的データ分析」

     田中 敬幸 「AIと倫理:文献研究と今後の発展可能性の検討」

     井上 直美・武内 進一 「アフリカ農村部における企業と人権―シエラレオネの

事例から」

<書籍部門>                                  

 優秀賞、奨励賞とも該当なし

********************************************************************************

受賞理由

論文賞について、今回の審査対象論文はそれぞれ審査員からの評価が高く、今後のわが国、若しくは世界の国々にとっても、将来大いに貢献するであろうことが予見できるものであった。その為審査は非常に難しいものとなった。今回の審査は過去3回で初めて「2次審査」まで行われ、審査員全員が対象論文を再読し、最大5点法(1位から5位の順位付け)を行う「審査員投票」によって、最終的に今回の結果になった。候補論文のどれも、今までにわが国では深く扱われたことない、若しくは新しい領域の研究分野である。杉山論文では質的研究法によって「これまであまり解明されてこなかった内部登用女性役員のキャリアプロセスについて、転職経験及び日本的経営に見られるマネジメント制度との関係で実証的に明らかにしようとしており、その意義は極めて大きい」との審査員のコメントが付されている。優秀賞、奨励賞の4論文は全ての経営倫理研究者、実務担当者が一読すべき玉稿であると申しあげておく。

(「水谷雅一賞選考委員会」委員長・理事 帝京平成大学 岡部幸徳教授のコメントより)

日本経営倫理学会とは

同学会は、経営倫理問題に関する事項について、学術的かつ実際的な研究を行い、その研究成果の発表、診断指導技法の開発、国内及び諸外国における関連学会・研究団体との交流及び情報交換並びに連絡提携、関連資料等の刊行等の事業活動を通じて会員相互の協力と資質の向上を促進し、もってわが国における経営倫理問題の健全な発展に寄与することを目的としています。

同学会は、1993年4月に我が国で初めてビジネス・エシックスに関する専門的研究のために設立されました。研究対象や範囲が企業経営のあり方や根幹に関わるとともに企業内外の広範・多岐な分野にわたり、経営学はもとより、法学・経済学・社会学・倫理学など多種分野の専門研究者や実務家などによる学術的・システム的な観点からのアプローチを必要としていることから、企業人・学者を問わず、関心がある多くの人々に対していわゆる”開かれた学会”を目指しています。

ここ数年、産業界においても経営倫理の重要性が益々認識されるようになり、経営戦略として経営倫理を積極的に捉えるケースも増加していることから、今後、同学会への期待も益々高まっていくことが予想されます。その期待に応え、学会として更なる発展を目指ため、

学術研究活動の強化、学会員の学会活動への参加とコミットメントの促進等を重点的運営方針として活動を行っています。